正文 二 - 12

ところへ寒月(かんげつ)君が先日は失礼しましたと這入(はい)ってる。「いや失敬。今変な名文を拝聴してトチメンボーの亡魂を退治(たいじ)られたところで」と迷亭先生は訳のわからぬをほのめかす。「はあ、そうですか」とこれも訳の分らぬ挨拶をする。主人だけは左(さ)のみ浮かれた気色(けしき)もない。「先日は君の紹介で越智東風(おちとうふう)と云う人がたよ」「ああ(あが)りましたか、あの越智東風(おちこち)と云う男は至って正直な男ですが少し変っているところがあるので、あるいは御迷惑かと思いましたが、是非紹介してくれというものですから……」「別に迷惑のもないがね……」「こちらへ(あが)っても分の姓名のことについて何か弁じて行きゃしませんか」「いいえ、そんな話もなかったようだ」「そうですか、どこへ行っても初対面の人には分の名前の講釈(こうしゃく)をするのが癖でしてね」「どんな講釈をするんだい」とあれかしと待ち構えた迷亭君は口を入れる。「あの東風(こち)と云うのを音(おん)で読まれると変気にするので」「はてね」と迷亭先生は金唐皮(きんからかわ)の煙草……(内容加载失败!)

(ò﹏ò)

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