正文 五 - 7

「先生泥棒に逢いなさったそうですな。なんちゅ愚(ぐ)なです」と劈頭(へきとう)一番にやり込める。

「這入(はい)る奴が愚(ぐ)なんだ」と主人はどこまでも賢人をもって任している。

「這入る方も愚だばってんが、取られた方もあまり賢(かし)こくはなかごたる」

「何にも取られるものの無い々良さんのようなのが一番賢こいんでしょう」と細君が此度(こんど)は良人(おっと)の肩を持つ。

「しかし一番愚なのはこの猫ですばい。ほんにまあ、どう云う了見じゃろう。鼠は捕(と)らず泥棒がても知らん顔をしている。――先生この猫を(わたし)にくんなさらんか。こうしておいたっちゃ何の役にも立ちませんばい」

「やってもい。何にするんだ」

「煮て喰べます」

主人は猛烈なるこの一言(いちごん)を聞いて、うふと気味の悪い胃弱の笑を洩(も)らしたが、別段の返もしないので、々良君も是非食いたいとも云わなかったのは吾輩にとって望外の幸福である。主人はやがて話頭を転じて、

「猫はどうでもいが、着物をとられたので寒くていかん」と(おおい)に銷沈(しょうちん)の体(てい)である。なるほど寒い……(内容加载失败!)

(ò﹏ò)

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