正文 九 - 13

迷亭もここにおいてとうてい済度(さいど)すべからざる男と断念したものと見えて、例に似ず黙ってしまった。主人は久し振りで迷亭を凹(へこ)ましたと思って意である。迷亭から見ると主人の価値は強情を張っただけ落したつもりであるが、主人から云うと強情を張っただけ迷亭よりえらくなったのである。世の中にはこんな頓珍漢(とんちんかん)なはままある。強情さえ張り通せば勝った気でいるうちに、人の人物としての相場は遥(はる)かに落してしまう。不思議なに頑固の本人は死ぬまで分は面目(めんぼく)を施こしたつもりかなにかで、その時後人が軽蔑(けいべつ)して相手にしてくれないのだとは夢にも悟りない。幸福なものである。こんな幸福を豚的幸福と名づけるのだそうだ。

「ともかくもあした行くつもりかい」

「行くとも、九時までにいと云うから、八時からて行く」

「校はどうする」

「休むさ。校なんか」と擲(たた)きつけるように云ったのは壮(さかん)なものだった。

「えらい勢(いきおい)だね。休んでもいいのかい」

「いいとも僕の校は月給だから、差し引かれる気遣(きづかい)はない……(内容加载失败!)

(ò﹏ò)

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