正文 十一 - 11

「まあ羅甸語などはあとにして、ちょっと寒月君のご高話を拝聴仕(つかまつ)ろうじゃないか。今変なところだよ。いよいよ露見するか、しないか危機一髪と云う安宅(あたか)の関(せき)へかかってるんだ。――ねえ寒月君それからどうしたい」と急に乗気になって、またヴァイオリンの仲間入りをする。主人は情(なさ)けなくも取り残された。寒月君はこれに勢をて隠し所を説明する。

「とうとう古つづらの中へ隠しました。このつづらは国をる時御祖母(おばあ)さんが餞別にくれたものですが、何でも御祖母さんが嫁にくる時持ってたものだそうです」

「そいつは古物(こぶつ)だね。ヴァイオリンとは少し調しないようだ。ねえ東風君」

「ええ、ちと調せんです」

「井裏だって調しないじゃないか」と寒月君は東風先生をやり込めた。

「調はしないが、句にはなるよ、安し給え。秋淋(あきさび)しつづらにかくすヴァイオリンはどうだい、両君」

「先生今日は分(だいぶ)俳句がますね」

「今日に限ったじゃない。いつでも腹の中でてるのさ。僕の俳句における造詣(ぞうけい)と云ったら、故子規子(こしきし……(内容加载失败!)

(ò﹏ò)

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