正文 十一 - 13

「伺わなくても露(ろじ)の白牛(びゃくぎゅう)を見ればすぐ分るはずだが」と、何だか通じないを云う。寒月君はねぼけてあんな珍語を弄(ろう)するのだろうと鑑定したから、わざと相手にならないで話頭を進めた。

「ようやくので一策を案しました。あくる日は長節だから、朝からうちにいて、つづらの蓋(ふた)をとって見たり、かぶせて見たり一日(いちんち)そわそわして暮らしてしまいましたがいよいよ日が暮れて、つづらの底で (こおろぎ)が鳴きした時思い切って例のヴァイオリンと弓を取りしました」

「いよいよたね」と東風君が云うと「滅(めった)に弾くとあぶないよ」と迷亭君が注意した。

「まず弓を取って、切先(きっさき)から鍔元(つばもと)までしらべて見る……」

「手な刀屋じゃあるまいし」と迷亭君が冷評(ひやか)した。

「実際これが分の魂だと思うと、侍(さむらい)が研(と)ぎ澄した名刀を、長夜(ちょうや)の灯影(ほかげ)で鞘払(さやばらい)をする時のような持ちがするものですよ。は弓を持ったままぶるぶるとふるえました」

「全く才だ」と云う東風君について「全く癲癇……(内容加载失败!)

(ò﹏ò)

抱歉,章节内容不支持该浏览器显示~

【为了使用完整的阅读功能】

请考虑使用〔Chrome 谷歌浏览器〕、〔Safari 苹果浏览器〕或者〔Edge 微软浏览器〕等原生浏览器阅读!

谢谢!!!

十一 - 12目录+书签十一 - 14